「対岸の火事」って何のこと?

「他の会社のトラブルだが、対岸の火事だと思わないように」といったかたちで使われる「対岸の火事」という表現ですが、どういうことを表しているのでしょうか。

「対岸の火事」は、「対岸」=川や海を挟んだ向こう岸で火事が起きている状況を指しています。水を挟んだ向こうで起きていることなので、こちらが火事になる心配はありません。

ここから「対岸の火事」は、「自分には関係が無く、何の苦痛もないこと」を意味します。

初出は判然としませんが、木造の建物が多い日本では火事が多かったので、そのような環境から出てきた表現なのかもしれません。

なお、「対岸の火事」は例文のように「否定」の文脈で使われることが多いため、「他山の石」などの「他人の間違った言動を、自分の言動の反面教師にする」という意味だと誤解している人が多いようです。

しかし、「対岸の火事」はあくまでも「自分には関係ないこと」です。間違えないようにしましょう。