奈落(ならく)の底の「奈落」ってどこのこと?

「試験に落ちて奈落の底に突き落とされた」などと、失意に打ちのめされ、呆然とする様子を「奈落の底」と表現します。では、この「奈落(ならく)」とは一体どこのことでしょう?

実は「奈落の底」とは、「地獄の底」という意味なんです。

梵語(古いインドの言葉)では悪事を働いた人間が死後に落ちる地獄を「ナラカ」と呼び、 それが中国で「奈落」と訳され、日本でもそのまま使用されるようになったそうです。仏教国のタイでも地獄のことは「ナラック」と呼ばれているそうです。

ちなみに、劇場などで舞台下に舞台装置などを置いている地下室を「奈落」と呼びますが、 これはその地下室が暗くてジメジメしていてまるで奈落の底のようだと連想されて名づけられたとか。