【昔の言葉】「これはしたり」の意味と使い方教えて

大河ドラマ、天地人での直江兼続の口癖として出てきた「これはしたり」や「これはしたり、殿に知れたらえらいことになる」などのかたちで使われる「これはしたり」ですが、どのような意味を持っているのでしょうか。

「これはしたり」は「(失敗を)やってしまった・しまった」「驚き」といった意味で使われていた言葉です。

「したり」は古語「す」(する)の連用形「し」と、完了を表す「たり」が組み合わさったもので「~をした・~をしてしまった」が現代語での訳になります。

現在でも何か失敗をしてしまったときに「しまった」という意味で、「これはしたり」と使うことができます。したがって、カジュアルな言い方での「やっちまった」「やらかした」などを言い換えることもできます。

また、何かに驚いたときにも使うことができます。「これはしたり、30㎞も歩いたの?」といったような場合です。

もっとも、現代ではかなり古い言い回しとなっていて、日常で聞く機会はかなり少なくなっているようです。

 

「これはしたり」は武士の間でよく使われていた言葉のようで、時代劇などでも出てくることがあります。

冒頭の例のように、大河ドラマ「天地人」の主人公・直江兼続が、実際に「これはしたり」が口癖だったのかは、もちろんよく分からないようです。

しかし、「天地人」は人気の高かった大河ドラマで、今でも記憶に残っている人が多いようですね。

なお、「これはしたり」の後半の「したり」は「したり顔」(してやったりという顔・ドヤ顔)のかたちになって残っており、現在でも使われています。