【昔の言葉】「必定(ひつじょう)」の意味と使い方教えて

「必定、敵の残党でしょう」「このままいけば、我らの勝利は必定じゃ」のように使われる「必定」(ひつじょう)ですが、現代語ではどのような意味になるのでしょうか。

「必定」は、「そうなると決まっている、必ずそうなる」「きっと」という意味の言葉で、現代語では「必然」「必ず」「確実」「きっと」などで言い換えることができます。

したがって、何かが「ほぼ確定的である」「確実にそうだ」というときに、使うことができます。

例えば、「正答率80%以上なので、合格は必定だ」のようなかたちです。

 

「必定」は時代劇で聞くことがある言葉ですが、武士言葉の一種という見方があるようです。

「武士言葉」というのは、武士が活躍した時代に多く用いられるようになった言葉のことです。

実際、平安時代の主要な文学作品ではほぼ使われておらず、「吾妻鏡」(鎌倉時代)など武士の時代以降の書物では使用が見られるため、この時代から多く使われるようになった言葉である可能性は高いように思われます。

具体的には、例えば「平家物語 四十八 法印問答」では「同(おなじき)十五日、入道相国、朝家を恨み奉るべき事、必定と聞えしかば、法皇大きにおどろかせ給ひて・・・」という文章があります。

現代語では「同十五日、入道相国(平清盛)が朝廷を恨み申し上げていることは確かだと聞こえたので、(後白河)法皇は大いにお驚きなさって・・・」となります。

このように、実際に武士の間で使われていた言葉だったと考えられるため、時代劇でも使われることがあるのでしょう。

 

お、「必定」は仏教用語でもあり、仏教では「必ず成仏すると定まること」を意味するそうです。