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【昔の言葉】「白扇(はくせん)を取らせる」の意味と使い方教えて

大河ドラマ「独眼竜政宗」での政宗の弟・小次郎への「白扇(はくせん)をとらせる」や「あやつは濡れ衣を着せられて、白扇をとらされたのだ」といったセリフで出てくることがある「白扇をとらせる」は、どのような意味を持っているのでしょうか。

「白扇をとらせる」は、「切腹せよ」という意味です。

現代ではまず使うことはありませんが、当時武士の社会ではこのような表現で切腹の命令をしていたようです。

 

なぜ「白扇(何も書かれていない真っ白な扇子)をとらせる」で切腹命令になるのかはよく分かりませんが、貴族や武士の間で扇子は今で言う「うちわ」としての役割以外にも、贈り物として使われるなど、生活に密着したものだったそうです。

今でも江戸時代からの伝統を引き継いでいる部分がある将棋などの世界では、扇子に揮ごうした(文字を書いた)ものがプレゼントされたり、売られたりしています。

日本において、白は「死に装束」の色でもあり、切腹の際も白い装束と浅葱色(明るい青緑色)の袴を着るのが正式な作法とされていました。

もしかすると、その死に装束の色としての白と真っ白な扇子を何か関連づけて、「白扇をとらせる」=「切腹命令」という意味が生まれたのかもしれません。

「白扇をとらせる」で有名なのは、冒頭にもあげた大河ドラマ「独眼竜政宗」です。伊達政宗の生涯を描いたドラマで、非常に人気が高かったようです。

このセリフが出てくるのは、弟である小次郎を伊達政宗が斬る場面で、実の母親に毒を盛られるなどのお家騒動の果てに起こる悲劇的なストーリーとして登場します。