「啓蟄」(けいちつ)は、日本では3月5日や6日に設定されることが多い、春に属する暦のことです。
もとは旧暦の2月前半の期間のことを指していて、新暦でもおおよそ1か月ずれた3月前半のこと(立春まで)になりますが、現在の暦では啓蟄が始まる日という意味になっています。
虫が暖かさを感じて土から出てくるというのが本来の意味だそうで、ここからそろそろ暖かくなってくる季節ですよ、ということを示しています。
実際、3月に入ると暖かい日が増えますね。
ところで、冬になると街路樹の松の木の幹にわらが巻いてあることがあります。このわらは「こも」と呼ばれ、江戸時代に害虫の駆除を目的に始まったものだそうですが、この「こも」を外す「こも外し」は「啓蟄」の日に行うことが多いそうです。
松にとっても冬の終わりなのですね。
なお、この「こも」は実際は害虫駆除には逆効果という話もあり、風物詩として行っているだけになっているようです。