秋になると、「馬肥ゆる秋」や「天高く馬肥ゆる秋」という表現を使うことがあります。
現在では、秋は馬が肥えるほど食べ物が美味しくなる時期というようなイメージで使われていることが多いようです。
しかし、なぜ肥えるのが馬なのでしょうか。これはこの表現が中国由来であることに関係しているようです。
紀元前5世紀から4世紀にかけて、中国北方には「匈奴」(きょうど)と呼ばれる民族がいました。
この匈奴は冬になると食べ物が減るので、秋に食べ物が豊富な中国に侵入し、略奪をすることがよくありました。匈奴は馬に乗って戦い、非常に強かったため、とても恐れられていました。
したがって、秋は収穫の時期であると同時に、匈奴たちの馬が食べ物を食べてどんどん強くなる時期=中国に侵入してくる時期でもありました。
「馬肥ゆる秋」という表現は、この秋の危険を警戒するための言葉として生み出されたそうです。だから、肥えるのが「馬」なのですね。