「それは、とんでもない話だ」、「とんでもない時間にお邪魔してすみません」などと、思いがけないことや意外なこと、けしからんことを「とんでもない」と表現しますが、一体何が「ない」というのでしょう?
「とんでもない」は、「途でもない(とでもない)」が変化した語だそうです。
「途」は本来、歩行する「道」や「道程」の意味ですが、「手段」や「物事の道理、筋道」といった意味も含む語であり、「途でもない」は、「道理から外れている」、「人の道には無い(常識から外れている)」、「思ってもみない」などの意味になるのです。
ちなみに、「とんでもない」の丁寧語として「とんでもございません」と耳にすることがありますが、これは間違いのようです。
「とんでもない」は、語の一部として「ない」を含む形容詞なので、丁寧語にする場合は「はしたない」「みっともない」と同様に、「とんでもない」を連用形にして「ございます」をつけた「とんでものうございます」とするのが正しい使い方なのです。
要注意ですが難しいですね。