誰かに愚痴を語られて、こちらが「それは向こうがおかしいよ」と言うと、「おかげで溜飲(りゅういん)を下げられたよ」と言われることがあるかもしれません。
この「溜飲を下げる」とはどういう意味なのでしょうか。
「溜飲を下げる」の「溜飲」というのは、江戸時代以前の医学用語だそうで、具体的には消化不良による胃液の逆流を意味するようです。
食後などにふとしたきっかけで胃液が逆流してくるとすごく気持ち悪かったり、不快な感じがしますよね。あれが溜飲です。
これを下げる、つまり胃に戻すと気分が良くなります。ここから「溜飲を下げる」は、不満などを解消して、晴れやかな気持ちになることを意味するようになったそうです。
ちなみに「溜飲が下がる」とも言い、こちらは客観的な意味合いがあります。「溜飲が晴れる」という言い方をする人も増えているようですが、これは誤りだそうなので気を付けましょう。