「無きにしも非ず(なきにしもあらず)」って、ないの?あるの?

「相手は強敵だが、勝利の可能性は無きにしも非ず(なきにしもあらず)だ」などのように使われることがある「無きにしも非ず」という言葉ですが、勝つ可能性の有無がよく分かりません。

どちらなのでしょうか。

「無きにしも非ず」を分解すると、「無き」「に」「しも」「非(あら)」「ず」となるようです。「無き」は「無し」で、「に」は「~だ・~である」を意味する助動詞です。この2語で「無いのである」という意味になります。

次に「しも」があります。この「しも」は後ろに打ち消しの言葉を伴うと「絶対~というわけではない」という意味になります。ここでは「非ず」が打ち消しの言葉です。

このため、「無きにしも非ず」は「絶対無いというわけではない」という意味になります。つまり、例文では「勝利の可能性もある」ということを伝えたかったということになります。