夏に使われる「草いきれ」という言葉ですが、草がどういう状態なのでしょうか。
「草いきれ」は、夏に日光に当たっていた植物が発するむっとした湿気のことだそうです。
確かに、カンカン照りのときに草っぱらに入ると独特の匂いと共に熱気を感じますね。
化学的な説明としては、日光があたると葉っぱの表面の温度が非常に高くなるので、自分の持つ水分を水蒸気として外に出す「蒸散」が活発になります。
人間でいう汗のようなものです。
この蒸散の結果、植物の周りの湿度が高くなるために、人がそこに近づくとむっとした湿気を感じるという仕組みのようです。
なお、「いきれ」は「熱れ」と書き、湿気でむっとするという意味だそうです。これを使って、人混みの中で感じる熱気を「人いきれ」と言ったりもします。