「鬼籍に入る」の「鬼籍」って何?

「恩師が鬼籍に入ってもう10年だ」のように使う「鬼籍」ですが、どういう意味なのでしょうか。人が鬼になるなんて、恐ろしげですね。

「鬼籍」というのは、死者が登録される帳簿、閻魔帳(えんまちょう)のことだそうです。ここから、「鬼籍に入る(きせきにいる)」は閻魔帳に記録される=「亡くなる」ことを意味します。

しかし、なぜ亡くなると鬼になるのでしょうか。

これは、中国では「鬼」が死者の魂のことを指すからだそうです。日本で言う「幽霊」が、中国では「鬼」になります。

したがって、鬼籍というのは死者の登録簿であって、あの角が生えた鬼のリストではないのです。

ちなみに、日本の鬼は「隠(おぬ)」が語源とされています。

もとは、目に見えない恐ろしい物ごとを「鬼」と言っていたようです。たしかに目に見えないことは怖いですよね。