「その状況を固唾をのんで見守った」のように使われる「固唾(かたず/かたづ)」とは、いったい何のことなのでしょうか。
「固唾」は、口の中に溜まってしまった唾液のことです。
普段人間は唾液が出てきても無意識に飲み込んでいますが、緊張していたりすると唾液が飲み込みづらくなり、溜まってしまうことがあります。
ここから、唾液が飲み込みづらくなるほど、事の成り行きが気がかりで緊張している様子を「固唾をのむ」と表現するようになったようです。
実際に緊張しているときに出る唾液は、普段のものより粘り気が強いことから、「固」(かたい)という字を使うようになったのではないかと考えられています。
なお、「固唾をのむ」を漢字で書く場合は「固唾を飲む」ではなく、「固唾を呑む」なので注意が必要です。