「彼は上司のお眼鏡にかない、昇進した」のように使われる「お眼鏡にかなう」という表現ですが、なぜメガネが出てくるのでしょうか。
「お眼鏡にかなう」とは、「目上の人に気に入られる、認められる」という意味です。
一般に「お眼鏡」と言う場合は、目につける「メガネ」ではなく、「善悪や優劣を見抜く力、鑑識眼」という意味になります。
由来がはっきりしないようですが、一説によれば「メ」は「目」、「ガネ」は「差し金」、つまりものさしのことで、
「目にものさしをつける」→「より正確に見ることができる」ことから、目につける器具をメガネと呼ぶようになり、同時に「鑑識眼」という意味も加わったのではないかと考えられているようです。
したがって、「お眼鏡にかなう」では「鑑識眼にかなう(適う)」=「鑑識眼のある人からふさわしいと判断される」ので、「気に入られる・認められる」という意味になります。