あるものをうまく言い表せているときに「言い得て妙だね」などと言ったりしますが、何が「妙」なんでしょうか。
実はこの「妙」は「不思議」という意味とは限りません。本来は「言いようがないくらい素晴らしい」という意味だそうです。「妙技」(みょうぎ/素晴らしい技)ではこちらの意味で使われていますね。
どういう経緯で「不思議」という意味がついたのかはよくわかりませんが、「妙」という言葉を使うぐらい素晴らしいものが存在するのは不思議なので、そこから意味が加わったのかもしれません。
ちなみに、日本語にはこのような拡大解釈に近い意味の変化が、時折見られます。
例えば、「ありがたい」は古語では「滅多にない」という意味なのですが、「仏さまに貴重なものをもらっているから感謝しよう」という仏教の考えから「滅多にないものには感謝」となって現在の意味になった、などがあげられます。