「在り来たり(ありきたり)な結末のドラマ」のように使う「在り来たり」ですが、なぜ「在る」と「来たり」を同時に使うのでしょうか。
「在り来たり」は「珍しくない、平凡」といった意味の言葉ですが、「在り」と、「やって来る」という意味でよく使われる「来たり」の両方を使ってこの意味になるとしたら、不思議です。
実は、この疑問を解くカギは「来たる」にあります。
「来たる」は、動詞の連用形につけることで「~し続けて現在に至る」という意味になるのです。
したがって、「在り来たり」は「昔から今まで在り続けている」というのがもとの意味で、ここから「昔からあるもの」→「平凡」という意味になったと考えられているようです。
ちなみに、「在り来たり」は正確には「在り来り」と書きますが、「来る」(きたる)を最近は「来たる」と表記することが多いので、「在り来たり」と表記することも多くなっています。