所謂

所謂

「所謂」はみんなが言っていることや一般的には○○だという場合に使われる言葉です。


いわゆる

この二字ではどう考えても「いわゆる」なんて読めませんよね。それもそのはずで、漢文でこの二字が出てくる場合は「言うところ」と読みます。これは今の日本語でも「みんなが言うところの常識なんて当てにならない」というときに使います。

それが何でこんな読み方をするのかというと、もともと日本語には「言う」に上代(奈良時代ごろ)までしか使われなかった受け身を示す助動詞の「ゆ」の連体形「ゆる」がくっついた「いわゆる」という言葉が存在しました。

これが「言われていること」という意味になるので、意味が同じである「所謂」(言うところ)をいっそのこと「いわゆる」と読んでしまおうということで、現在のかたちになったようです。

ちなみに、同じパターンとしては「所有」で「あらゆる」などもあります。こういうものは熟字訓と呼ばれます。