行灯
旅館などに泊まると和紙で包まれている照明器具がありますよね。あれが「行灯」です。
今風に読むと「ぎょうとう」ですが、鎌倉時代以降に入ってきた漢字の読み方である唐音読みで「あんどん」と読みます。「行脚」(あんぎゃ)などでも「行」を「あん」と読みますね。
あんどん
もともとは持ち運び用で今の懐中電灯の役割を果たしていたので、「行く灯り」と書きます。江戸時代は木綿などに油をしみ込ませて皿の上で燃やして光源にしていたようです。
その後、より持ち運びやすくするために和紙をじゃばら折りにして折りたためるようにしたものが登場します。これが提灯(ちょうちん)です。提灯の登場後、行灯は持ち運びに使われることが少なくなってしまい室内用になっていきました。
行灯のような自然な灯りは何だか心が落ち着きます。私たちは、人工物に触れすぎなのかもしれませんね。