「五月雨(さみだれ)式のご連絡になってしまい、申し訳ございません」などのかたちで使われることのある「五月雨式」ですが、どのような意味で使われているのでしょうか。
「五月雨式」は、「途中で中断をはさみながら、長く続くこと・だらだらと続くこと・1回で終わらないこと」という意味です。
この表現は「五月雨」という言葉がもとになっています。
「五月雨」は、梅雨の時期の降ったりやんだりするだらだらと続く雨です。
これを「1回で終わらない、だらだらと続くこと」の例えとして使うようになり、「五月雨式」という言葉が生まれたようです。
また、梅雨の雨はいい気分で使う人が少ないことから、「五月雨式」も基本的にはネガティブな意味合いで使われることが多いそうです。
ビジネスシーンでは、一度で終わらず、何回も連絡や発注をしなくてはいけなくなってしまった場面で使われる傾向にあるようです。
なお、梅雨は6月なのになぜ「五月雨」なのかですが、これは日本のカレンダー(暦)が途中で変わったことが原因です。
一般的に、このような昔から使う言葉で季節や月が出てくるときは、旧暦(江戸時代までのカレンダー)がもとになっていることが多いそうです。
そして、旧暦と新暦(現在のカレンダー)には、おおよそ1か月~2か月のズレがあります。
そのため、梅雨の時期である新暦6月は旧暦では5月になる年が多いです。
ここから、昔は梅雨の雨を「五月雨」と呼んでおり、そこから「五月雨式」という言葉も生まれました。
同様に「五月晴れ(さつきばれ)」は「梅雨の時期の晴れ間」を意味します。
ただ、最近では新暦5月ごろの晴天を指すようにもなっていて、意味の変化が起こっているようです。