「いいのかしら」の「かしら」って、女言葉なの?

「かしら」は女性が使う言葉だと思っている人が多いようですが、実際には男性でも使う人がいます。違和感を覚える人もいるかもしれませんが、はたして男性が使うとおかしな言葉なのでしょうか?

結論から言えば、本来「かしら」は女言葉ではありません。例えば、夏目漱石の作品では男性も「かしら」を使っています。

この言葉は、もともと「か知らむ」(~だろうか)というもので、それが「かしらん」→「かしら」に変化していった流れがありますが、ずっと男女関係なく使われていました。

ただ、明治期に東京の裕福な女学生の中で「てよだわ言葉」(「よくってよ」等)などの独自の言葉遣いが流行り、その中で彼女たちがよく「かしら」を使っていたことで、昭和以降「かしら」が見聞きしただけで女性性を示す「役割語」となったと考えられます。

このため、「かしら」が女言葉だと思う人が増え、現在では女言葉にかなり近い使われ方をされているようです。