「二律背反(にりつはいはん)」ってどういう意味?

「二律背反」は、ある内容(命題)について、それが正しい状況(真)とそれが間違っている状況(偽)が両方とも成り立ち得るにも関わらず、どちらか一方しか存在できない状況のことだそうです。

例えば、「今は午前7時だ。この文章はウソである」という命題を考えます。

この命題が真なら、今は午前7時でないということになります。逆にこの命題を偽とすると、「文章はウソ」が間違っている=「本当」になるので、今は午前7時になります。

両方ともあり得ますが、ウソと本当は同時には存在できません。これをアンチノミーと言い、日本語では「二律背反」と言うそうです。

元々は哲学用語で、カントの理論が有名なようです。カント哲学では理性は必ず間違いを含んでいて二律背反の物事は両方とも成立(または不成立)してしまうと考え、理性を批判的に論じます。

難しい言葉なので、単純に矛盾などの意味で使われていることも多いようです。